雪も霜も白く見え、どちらも氷の結晶からできています。それでも、雪は空から降ってくるのに、霜は地面や草、車の窓などの表面に付いてできます。
結論からいうと、雪は雲の中で水蒸気が氷の結晶となって成長し、その結晶が地上へ落ちてくるのに対し、霜は地表付近の物体が強く冷え、その表面で空気中の水蒸気が直接氷の結晶になるからです。
雪と霜はどちらも水蒸気からできる氷の結晶
雪と霜には共通点があります。どちらも水蒸気が氷の結晶になることでできます。
気象庁は、雪について、大気中の水蒸気がちりやほこりなどを核として凍り、氷の結晶となって成長すると説明しています。一方、霜は地面や植物などの表面温度が0℃以下になったとき、空気中の水蒸気が直接氷の結晶となって付着してできます。
雪は雲の中でできて地上へ落ちてくる
雪の結晶は、主に雲の中で成長します。雲の中には水蒸気や過冷却した水滴があり、氷の結晶に水蒸気が付着して少しずつ大きくなります。
十分に成長した結晶は重力で落下し、地上まで融けずに届けば雪になります。つまり雪は、空中で作られた氷の結晶が「降水」として地上へやってくる現象です。
霜は地面や物体の表面で直接できる
霜は、空から降ってきた雪が付着したものではありません。地面、草、屋根、車の窓などの表面そのものに氷の結晶が成長してできます。
気象庁の農業気象資料では、地面や地物の表面温度が0℃以下になったとき、空気中の水蒸気が直接氷の結晶となって物体表面に付着し、霜になると説明されています。
霜ができやすい夜は放射冷却が強い
霜ができやすいのは、晴れて風の弱い夜です。雲が少ないと、地面や物体から宇宙空間へ赤外線として熱が逃げやすくなります。
このため地表面は周囲の空気より強く冷え、0℃以下になることがあります。これが放射冷却です。風が弱いと暖かい空気との混合も少ないため、地面付近の冷え込みがさらに強まりやすくなります。
気温が0℃より高くても霜ができることがある
天気予報で使われる気温は、通常は地面から約1.5メートルの高さで観測されます。しかし、晴れて風の弱い夜には地表面のほうがもっと低い温度になることがあります。
気象庁は、地表付近の物体の温度は観測気温より低くなり得るため、気温が3℃程度でも霜が降りることがあると説明しています。
雪が降るには雲が必要だが、霜は晴れた夜ほどできやすい
雪は雲の中で結晶が成長するため、基本的には雲が必要です。これに対して霜は、晴れて雲が少ない夜ほど放射冷却が強まりやすく、できやすくなります。
この点は、雪と霜の大きな違いです。同じ氷の結晶でも、雪は雲の中で作られ、霜は地表面で作られます。
雪と霜では「移動のしかた」も違う
雪は空中でできたあと、重力によって地上へ落下します。そのため、降水として広い範囲に積もることがあります。
霜は、できた場所から移動するのではなく、その物体の表面で直接成長します。草の葉だけが白くなったり、車の窓だけが凍ったように見えたりするのはこのためです。
霜と露は何が違うのか
霜とよく似た現象に露があります。露は、空気中の水蒸気が冷えた物体の表面で液体の水滴になったものです。
これに対して霜は、物体の表面がより冷えているときに、水蒸気が液体の水を経ずに直接氷の結晶となって付着します。つまり、露は液体の水、霜は氷です。
霜と凍結も同じではない
地面や水たまりにある液体の水が凍る現象と、霜ができる現象は区別されます。
凍結は、もともと液体だった水が冷えて氷になることです。一方、霜は空気中の水蒸気が物体表面で直接氷の結晶となる現象です。
雪の結晶の形は雲の温度や湿度で変わる
雪の結晶は、成長するときの温度や湿度によって形が変わります。板状、柱状、樹枝状などさまざまな結晶ができます。
なぜ湿度は雪の結晶の育ち方や降り方に影響するのか?では、雲の中の水蒸気量や温度によって結晶の成長が変わる理由を詳しく解説しています。
霜の結晶にも形の違いがある
霜も氷の結晶なので、条件によって結晶の形が変わります。気象庁が南極で観測した樹霜では、針状や板状などの結晶形が確認されています。
雪ほど空中を長く成長して落下するわけではありませんが、霜も水蒸気から直接成長する氷の結晶という点では共通しています。
雪が降るか雨になるかは地上までの温度にも左右される
雲の中で雪の結晶ができても、地上へ落ちる途中で暖かい空気の層を通ると融けて雨になることがあります。
なぜ気温によって雪になったり雨になったりするのか?では、雪の結晶が地上に届くまでの温度分布が降水の種類を変える理由を解説しています。
霜は積雪とは別の現象
霜で地面が白く見えると、薄く雪が積もったように見えることがあります。しかし、霜は降って積もった雪ではありません。
雪は降水として地上に積もりますが、霜は地表の物体そのものに氷の結晶が付着したものです。そのため、霜で白くなっても積雪として扱われるわけではありません。
雪が積もった後の深さは別の要因で変わる
雪が地上に積もった後は、雪質、沈み込み、融雪、風などによって積雪の深さが変化します。
なぜ同じ量の雪が降っても積雪の深さは同じにならないのか?では、降った雪の量と地面に残る積雪深が一致しない理由を解説しています。
雪と霜の違いを一言でいうと「できる場所」
雪と霜は、どちらも水蒸気からできる氷の結晶ですが、最も大きな違いはできる場所です。
雪は雲の中で結晶が成長し、その後地上へ落ちてきます。霜は地面や物体の表面で直接結晶になります。
まとめ
雪と霜はどちらも氷の結晶ですが、できる場所と過程が違います。
雪は雲の中で水蒸気から氷の結晶が成長し、その結晶が降水として地上へ落ちてきます。一方、霜は晴れて風の弱い夜などに地表の物体が強く冷え、その表面で空気中の水蒸気が直接氷の結晶となって付着します。
つまり、雪は「空中でできて降る氷」、霜は「地表面で直接できる氷」と考えると違いを理解しやすくなります。

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