結論から言うと、岩石と堆積岩が関係しているのは、堆積岩が「岩石」という大きなグループの一つだからです。地質学では、岩石はでき方によって大きく火成岩・堆積岩・変成岩に分けられます。そのうち堆積岩は、岩石や鉱物の破片、生物の遺骸、水中から沈殿した物質などが堆積し、その後に固まってできた岩石です。
つまり「岩石」と「堆積岩」は別々の概念ではなく、岩石という上位概念の中に堆積岩が含まれるという関係です。砂岩、泥岩、礫岩、石灰岩、チャートなどはすべて堆積岩であり、同時に岩石でもあります。
まず「岩石」と「堆積岩」の関係を整理しよう
岩石は、地球の地殻をつくる固体物質の基本単位の一つです。産総研地質調査総合センターは、一般に岩石をでき方によって火成岩・堆積岩・変成岩に大別しています。
そのうち堆積岩は、「ふりつもったものが固まってできる岩石」です。
火成岩がマグマの冷却・固結によってできるのに対し、堆積岩は地表付近で生まれた粒子や物質が集積し、固結することでできます。変成岩は、すでに存在する岩石が高温・高圧などを受けて別の組織や鉱物組成へ変化した岩石です。
したがって、堆積岩は岩石の「種類名」の一つであり、岩石全体の中で特定のでき方を持つグループだと考えるとわかりやすくなります。
堆積岩の材料はどこから来るのか
堆積岩の材料の多くは、すでに存在している岩石です。
地表の岩石は、雨、風、気温変化、凍結融解、化学反応などによって少しずつ壊れます。これを風化といいます。
産総研地質調査総合センターは、風化によって岩石が細かく砕かれたり、鉱物が別の鉱物へ変化したりすると説明しています。
こうして生まれた礫、砂、シルト、粘土などの粒子は、河川、風、氷河、重力などによって運ばれます。そのため堆積岩は、もとの岩石を材料として再び新しい岩石へつくり替えたものでもあります。
風化と侵食は同じではない
堆積岩のでき方を理解するときには、風化と侵食を分けて考えることが重要です。
風化は、その場所にある岩石が細かく壊れたり、化学的に変化したりする現象です。
一方、侵食は、風化などでできた粒子を流水や風などが削り取り、移動させる作用です。
つまり、まず岩石が風化して壊れ、その粒子が侵食され、運搬され、別の場所へ堆積するという流れが起こります。
堆積岩は、この「既存の岩石が壊れ、移動し、再び固まる」という地球表層の循環から生まれます。
粒子は水や風によって運ばれる
堆積岩の材料となる粒子は、その大きさによって運ばれ方が変わります。
産総研地質調査総合センターは、河川が運べる粒子の大きさは流れの強さに左右されると説明しています。
山地の急流では礫や粗い砂まで運べますが、平地へ出て流れが弱くなると大きな粒子から順に沈みます。さらに海や湖の静かな場所では、細かなシルトや粘土がゆっくり沈みます。
この違いによって、山麓では礫の多い堆積物、河川や海岸では砂、沖合や深海では泥が多い堆積物ができやすくなります。
つまり堆積岩の粒の大きさを見ると、どのような環境で堆積したのかを推測できる場合があります。
堆積物が積もっただけではまだ堆積岩とは限らない
砂浜の砂や川底の礫は、堆積物ではありますが、まだ固まっていないため、そのままでは堆積岩とは呼びません。
産総研地質調査総合センターは、岩石片、鉱物、生物遺骸、火山噴出物などが運ばれて積み重なったものを堆積物とし、それが続成作用を受けて固結したものを堆積岩としています。
USGSも、砂や泥などの堆積物が埋没すると、水が抜け、圧密され、鉱物によってセメント化されることで岩石になると説明しています。
したがって「積もること」と「岩石になること」の間には、埋没後の変化という重要な段階があります。
圧密とは何か
堆積物が次々と積もると、下にある層には上から重さがかかります。
その圧力によって粒子の間隔が狭まり、孔隙にあった水が押し出され、堆積物全体の体積が小さくなります。これが圧密です。
泥のように細かな粒子が多い堆積物では、圧密による変化が特に大きくなります。
ただし圧密だけで、必ず十分に硬い岩石になるわけではありません。粒子同士を結びつけるセメント化も重要です。
セメント化によって粒子が結びつく
堆積物の孔隙を流れる地下水には、さまざまな成分が溶けています。
その中から方解石、石英、鉄化合物などが沈殿して粒子のすき間を埋め、粒子同士を接着することがあります。これがセメント化です。
USGSは、堆積物が圧密・セメント化されることで砂岩や礫岩などの堆積岩になると説明しています。
圧密とセメント化を含む、堆積物が埋没後に岩石へ変化していく作用を続成作用と呼びます。
砕屑性堆積岩は粒の大きさで分類される
既存の岩石が砕けてできた粒子を砕屑物と呼び、それが固まった岩石を砕屑性堆積岩と呼びます。
代表的なものは次の通りです。
- 礫岩:礫を主体とする岩石
- 砂岩:砂を主体とする岩石
- シルト岩:シルトを主体とする岩石
- 泥岩:シルトや粘土などの細粒物質を主体とする岩石
産総研地質調査総合センターも、一般的な砕屑性堆積岩を粒子サイズに基づいて分類しています。
この分類を見ると、堆積岩の名前が「何が積もったか」と深く結びついていることがわかります。
生物の遺骸からできる堆積岩もある
堆積岩の材料は、岩石片だけではありません。
海や湖では、貝殻、サンゴ、プランクトンなどの生物遺骸が大量に堆積することがあります。
たとえば石灰質の殻を持つ生物の遺骸が集積して固まると、石灰岩になることがあります。放散虫や珪藻など、珪質の殻を持つ微生物の遺骸が長期間堆積し、固まるとチャートを形成する場合があります。
産総研地質調査総合センターは、石灰岩やチャートを代表的な生物起源の堆積岩として挙げています。
このため堆積岩は、生物の歴史を岩石として保存する役割も持っています。
水中から直接沈殿してできる堆積岩もある
堆積岩の中には、粒子が川から運ばれてきたものではなく、水に溶けていた成分が直接沈殿してできるものもあります。
湖や海の水が蒸発して塩類濃度が高くなると、岩塩や石こうなどの鉱物が析出することがあります。
また、炭酸カルシウムが化学的・生物化学的に沈殿し、石灰岩を形成する場合もあります。
USGSは、堆積岩には砕屑性のものだけでなく、生物遺骸や化学的沈殿からできる非砕屑性のものも含まれると説明しています。
つまり堆積岩とは「砂や泥が固まった岩」だけではなく、地表付近で物質が集積・沈殿し、固まった岩石を広く含む分類です。
堆積岩はなぜ層になりやすいのか
堆積物は、多くの場合、時間をかけて地表へ順番に積み重なります。
洪水、季節変化、海面変動、火山灰の降下、生物活動などによって供給される物質が変わると、粒の大きさや色、成分の違う層が重なります。
そのため堆積岩には、層理や地層と呼ばれる縞状の構造がよく見られます。
USGSも、堆積岩は地表で堆積物が集積してできるため、特徴的な層や寝床状構造を持つことが多いとしています。
地層の重なりを調べることで、その場所で過去にどのような環境変化があったのかを推定できます。
堆積岩に化石が見つかりやすいのはなぜか
堆積岩は、火成岩や多くの変成岩に比べて比較的低い温度で形成されます。
生物の死骸や足跡、巣穴などが砂や泥に埋もれ、その後に堆積物が固まると、その形が岩石中に保存されることがあります。
USGSは、堆積岩には化石が含まれることが多いと説明しています。
一方、火成岩は高温のマグマからできるため、通常は生物遺骸がそのまま保存されません。変成岩も高温・高圧を受けるため、元の化石構造が変形・消失することがあります。
そのため堆積岩は、地球の過去の生物や環境を調べる重要な記録媒体です。
堆積岩は昔の環境を記録している
礫岩があれば強い流れのある川や海岸、細粒の泥岩なら比較的静かな湖底や海底、石灰岩なら温暖な浅海など、岩石の種類から形成環境を推定できる場合があります。
さらに、粒子の大きさ、層の厚さ、斜交層理、波の跡、化石などを調べると、過去の流れの方向や水深、生物相まで読み取れることがあります。
つまり堆積岩は、単なる石ではなく、地球表面で起きた出来事を時間順に残す「記録」のような岩石です。
火成岩も堆積岩の材料になる
堆積岩と火成岩は別の分類ですが、互いに無関係ではありません。
たとえば花こう岩や玄武岩が地表に露出すると、風化や侵食によって砂や粘土などに変わります。その粒子が川や海へ運ばれて堆積し、固まれば堆積岩になります。
つまり火成岩が砕け、その破片から堆積岩ができることがあります。
逆に、堆積岩が地下深くへ運ばれて高温・高圧を受ければ変成岩になり、さらに溶融すればマグマになり、そのマグマが冷えれば火成岩になります。
この関係が、岩石が互いに移り変わる岩石循環です。
岩石循環ではどの岩石も堆積岩になり得る
USGSは、侵食によって既存の岩石が小さな粒子へ変わり、それが堆積物となり、圧密・セメント化を経て堆積岩になるという岩石循環を説明しています。
つまり、堆積岩の材料は火成岩だけではありません。変成岩も、古い堆積岩も、地表で風化・侵食されれば新しい堆積物になり得ます。
その堆積物が再び固まれば、新しい堆積岩ができます。
このため堆積岩は、地球表面で岩石を「再利用」する仕組みの中心的な存在といえます。
堆積岩はどこでつくられるのか
堆積物がたまる場所を堆積環境と呼びます。
代表的な場所には、次のようなものがあります。
- 河川や氾濫原
- 扇状地
- 湖
- 砂漠
- 海岸
- 浅い海
- 深海
- 湿地
場所ごとに運ばれる粒子、生物、化学条件が違うため、できる堆積岩も異なります。
たとえば砂漠では風で運ばれた砂が堆積し、大規模な砂岩になることがあります。深海では細かな泥や微生物遺骸が長期間積もり、泥岩やチャートの材料になります。
堆積岩を見分けるときの基本ポイント
堆積岩を観察するときは、次のような特徴が手がかりになります。
- 粒の大きさが礫・砂・泥のどれに近いか
- 層状の構造があるか
- 丸い礫や砂粒が含まれているか
- 化石や生物由来の殻が含まれているか
- 粒子同士をつなぐセメントが見えるか
- 色や粒径が層ごとに変化しているか
ただし、見た目だけでは火山砕屑岩や変成を受けた岩石との区別が難しい場合もあります。専門的には薄片観察、鉱物分析、化学分析なども使います。
岩石と堆積岩の関係をまとめると
- 岩石は火成岩・堆積岩・変成岩に大別される
- 堆積岩は岩石の一種である
- 既存の岩石が風化・侵食され、粒子となって運ばれる
- 粒子は河川・風・氷河などで運搬され、海・湖・陸上へ堆積する
- 堆積物は埋没後に圧密・セメント化され、堆積岩になる
- 砂岩・泥岩・礫岩は砕屑物からできる代表的な堆積岩である
- 石灰岩・チャートなど、生物遺骸を主な材料とする堆積岩もある
- 水中から化学成分が沈殿してできる堆積岩もある
- 堆積岩は地層や化石を通じて過去の環境を記録する
- 火成岩・変成岩・古い堆積岩も、風化・侵食されれば新しい堆積岩の材料になる
つまり、岩石と堆積岩が関係しているのは、堆積岩が岩石という大きな分類の中に含まれ、地表で生まれた堆積物が固まるという特定のでき方を持つ岩石だからです。既存の岩石が壊れ、運ばれ、積もり、再び固まることで堆積岩ができます。そして、その堆積岩も将来は風化したり、変成したり、溶けたりして別の岩石へ変わることがあります。堆積岩を理解することは、岩石全体の分類だけでなく、地球表面で物質が循環し、過去の環境が記録されていく仕組みを理解することにつながります。

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