なぜLED照明は、調光・調色と高効率で暮らしの快適さと省エネを両立しやすいのか?

LED照明は、白熱電球や蛍光灯と比べて省エネ性が高いだけでなく、明るさや光の色を細かく変えたり、人感センサーや明るさセンサーと連動させたりしやすい特徴があります。

そのため、同じ部屋でも、読書するときは明るく、くつろぐときは少し暗く、昼間は窓から入る光に合わせて照明を弱める、といった使い方がしやすくなります。

なぜLED照明は、調光・調色と高効率で暮らしの快適さと省エネを両立しやすいのでしょうか。結論からいうと、LEDは少ない電力で光を作りやすく、さらに半導体と電子回路で光量・光色・点灯時間を細かく制御できるため、「必要な場所に、必要な量と色の光を、必要な時間だけ届ける」設計がしやすいからです。

目次

LEDの省エネ性は、まず発光効率の高さから生まれる

照明の効率を見る代表的な指標が、1Wあたり何lmの光を出せるかを表すlm/Wです。

資源エネルギー庁は、LED照明器具の固有エネルギー消費効率を、定格光束を定格消費電力で割った値として扱っています。数値が大きいほど、少ない電力で多くの光を得られることを意味します。

つまり、必要な明るさを得るための電力を小さくできれば、その分だけ照明に使う電力量を減らしやすくなります。

ただし、LEDならすべて同じ効率というわけではありません。電源回路、器具構造、光学部品、色温度や演色性などによって製品ごとの効率は異なります。

小さな発光素子だから、必要な方向へ光を送りやすい

LEDは小さな発光素子なので、レンズや反射板と組み合わせて光の方向を細かく制御しやすい特徴があります。

米国エネルギー省も、LEDの小型で高輝度な光源特性は光学制御に向いており、必要な場所へ光を届けやすいことをLEDの利点として挙げています。

光源が発生した光を、使わない方向へ大量に逃がすのではなく、机、床、壁、商品など必要な場所へ届けられれば、同じ使いやすさを少ない光量で実現できる場合があります。

省エネは単に「低ワットの照明を選ぶ」だけでなく、「必要な場所へ効率よく光を届ける」ことでも実現しやすくなります。

LEDは明るさを細かく調節しやすい

LEDは電流を電子回路で制御して点灯するため、調光機能を組み込みやすい光源です。

部屋を常に最大の明るさで照らす必要はありません。昼間や就寝前、テレビを見るときなどは、必要な明るさが低いことがあります。

日本照明工業会は、生活シーンに合わせて必要な照明だけを必要な明るさで点灯する「適時適照」を紹介しています。調光によって過剰な明るさを抑えれば、使い勝手を保ちながら消費電力も下げられます。

ただし、明るさを50%にしたときに消費電力も必ず50%になるとは限りません。電源回路や制御方式によって電力特性は異なります。

調色によって、時間帯や用途に合う光へ変えられる

LEDでは、暖かい電球色から白っぽい昼白色まで、光の色を変えられる調色機能を持つ製品があります。

内部では、異なる色温度のLEDを組み合わせ、それぞれの出力比を変えることで光色を調整します。

米国DOEは、LEDの色可変製品として、明るさを下げると暖色へ変わるdim-to-warmや、色温度を独立して変えられるwhite-tunableなどを紹介しています。

この機能を使えば、食事やくつろぎには暖かい色、作業や読書には白っぽい光など、生活場面に合わせて光環境を変えられます。

ただし、「この色温度なら必ず快適」という一つの正解があるわけではありません。好み、年齢、作業内容、周囲の明るさなどによって感じ方は変わります。

快適さは「明るいほど高い」とは限らない

照明の快適さは、照度が高ければ高いほど良くなるわけではありません。

必要以上に明るい光は、まぶしさを感じる原因になる場合があります。反対に、細かな作業をする場所が暗すぎれば、見づらさにつながります。

LED照明では、調光や個別制御を使うことで、部屋全体を一律に最大照度へするのではなく、必要な場所だけを適切な明るさへ調整しやすくなります。

日本照明工業会も、生活シーンやオフィスの状況に合わせて明るさや色温度を変える照明制御を、快適性と省エネの両立につながる方法として紹介しています。

人感センサーと組み合わせると、無人時の点灯を減らせる

LEDは瞬時に点灯しやすく、頻繁なON・OFFにも比較的向いているため、人感センサーとの組み合わせに適しています。

廊下、玄関、トイレ、倉庫などでは、人がいるときだけ点灯し、いなくなったら消灯または減光する制御ができます。

この方法では、消し忘れを防ぎ、必要のない時間の電力消費を減らせます。

米国DOEも、LEDは在室センサーや局所的な光量制御と組み合わせやすく、光源効率だけでなく制御による追加の省エネが期待できるとしています。

明るさセンサーと組み合わせると、昼光を利用できる

窓の近くでは、晴れた日中に自然光だけで十分な明るさを得られることがあります。

明るさセンサーと調光機能を組み合わせれば、昼光が多いときは人工照明を弱め、曇天や夕方になったら自動で明るくすることができます。

日本照明工業会も、外光検知による連動自動調光をLED照明制御の例として紹介しています。

これにより、作業に必要な明るさを保ちながら、昼間に人工照明を使いすぎる無駄を減らしやすくなります。

部屋全体を一律に照らさず、必要な場所ごとに制御できる

LED照明は小型化しやすく、複数の器具をグループ分けしたり、個別に調光したりする制御システムとも組み合わせやすい特徴があります。

たとえば、窓側は昼光に合わせて暗くし、部屋の奥だけ明るくすることができます。使っていないエリアは消灯し、作業している場所だけ点灯することもできます。

DOEは、先進的な照明システムについて、「適切な量とスペクトルの光を、適切な場所へ、適切な時間に届ける」という考え方が、エネルギー効率と室内環境の両方に重要だとしています。

LEDはこうした細かな制御と相性が良いため、単なる光源交換以上の省エネにつなげやすくなります。

光の色や演色性を選びやすいことも暮らしへの影響につながる

LEDでは、色温度だけでなく、物の色をどのように見せるかという演色性も製品ごとに選べます。

食卓、衣類、化粧、写真、店舗商品などでは、単に明るいだけでなく、物の色が見やすいことが重要です。

一方、高い演色性や特殊な光色を実現するために、効率との間にトレードオフが生じる場合があります。DOEも、LEDでは高い色品質を実現できる一方、色品質と効率のバランスが設計条件になることを説明しています。

そのため、暮らしの快適さと省エネを両立するには、lm/Wだけで製品を選ぶのではなく、必要な色の見え方や光色も含めて考える必要があります。

LEDの「長寿命」も暮らしの手間を減らしやすい

LED照明は、一般に白熱電球などより長い寿命を持つ製品が多く、交換回数を減らしやすい特徴があります。

高い天井や階段など、交換作業が面倒な場所では、この違いは日常の手間にも影響します。

ただし、寿命は使用温度や器具構造、電源回路などによって変わります。LEDなら必ず表示時間まで故障しないという意味ではありません。

寿命の条件そのものについては、関連記事で詳しく扱います。

省エネと快適さは「機能が多いほど自動的に高まる」わけではない

調光、調色、センサー、無線制御などの機能が増えても、設定が利用実態に合っていなければ十分な効果は得られません。

人がいるのにセンサーで消灯してしまえば使いにくくなります。必要以上に高い照度へ設定すれば、調光機能があっても省エネ効果は小さくなります。

また、調色できても、用途に合わない光色を選べば快適とは感じないことがあります。

LEDの利点は「自動的に快適になる」ことではなく、生活場面に合わせて光を調整できる選択肢が広いことにあります。

暮らしでLED照明を活かすポイント

  • 必要な明るさを満たしたうえで、lm/Wの高い器具を選ぶ
  • くつろぎ・食事・読書など用途に合わせて調光する
  • 光色を変えたい場合は調色機能を利用する
  • 廊下や玄関では人感センサーで不要な点灯を減らす
  • 窓際では昼光に合わせた自動調光を検討する
  • 部屋全体を常に最大照度にせず、必要な場所を重点的に照らす
  • 色温度だけでなく演色性やまぶしさも確認する

まとめ

LED照明が暮らしの快適さと省エネを両立しやすいのは、高い発光効率だけでなく、光量・光色・点灯時間・照らす場所を電子的に細かく制御しやすいからです。

高効率なLEDを使えば、必要な明るさを少ない電力で得やすくなります。さらに調光・調色、人感センサー、明るさセンサー、個別制御を組み合わせれば、生活場面や昼光に合わせて必要な光だけを使えます。

一方、快適さには個人差があり、明るさや色温度を一律に決めることはできません。LEDの強みは、生活や作業に合わせて光を調整できることです。効率の高い光源と適切な制御を組み合わせることで、無駄な電力を抑えながら使いやすい照明環境を作りやすくなります。

関連記事

参考資料

関連する「なぜ?」

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

コメント

コメントする

目次