地震と震度が関係しているのは、地震によって生じた地震波が各地へ伝わり、その場所で実際にどれくらい強く揺れたかを表すのが震度だからです。
ただし、震度は地震そのものの大きさではありません。同じ一つの地震でも、震源に近い場所では大きな震度になり、遠い場所では小さな震度になることがあります。また、震源から同じくらい離れていても、地盤の違いなどによって震度が変わることがあります。
震度は「その場所での揺れの強さ」
気象庁は、震度を「ある場所での地震による揺れの強さ」を表すものと説明しています。
日本では現在、各地に設置された計測震度計が地面の揺れを観測し、その記録から震度を自動的に求めています。震度階級は、震度0、1、2、3、4、5弱、5強、6弱、6強、7の10段階です。
ここで重要なのは、震度は地震一つにつき一つではないことです。同じ地震でも、観測地点ごとに震度が違います。
たとえば、ある地震でA市が震度5弱、B市が震度4、C市が震度3ということがあります。これは別々の地震が起きたのではなく、一つの地震の揺れが場所ごとに違ったという意味です。
マグニチュードとは意味が違う
震度と混同されやすい言葉にマグニチュードがあります。
マグニチュードは地震そのものの規模を表し、震度は各地点での揺れの強さを表します。
気象庁は、この関係を電球の明るさに例えています。電球そのものの明るさがマグニチュードで、電球から離れた場所で感じる明るさが震度に相当します。
米国地質調査所(USGS)も、マグニチュードは震源での地震の大きさを表す一つの値である一方、震度は場所ごとに異なると説明しています。
そのため、マグニチュードの大きな地震でも遠くでは震度が小さくなることがあり、反対に規模がそれほど大きくなくても震源が非常に近ければ強い震度になることがあります。
震源に近いほど震度が大きくなりやすい
地震が起こると、断層のずれによって生じた地震波が周囲へ広がります。
地震波は遠くまで伝わる間に、一般に少しずつ弱くなります。この現象を距離減衰といいます。
そのため、同じ条件なら震源断層に近い場所ほど強く揺れ、遠くなるほど揺れが弱くなる傾向があります。
ただし、単純に震源の一点からの距離だけで決まるわけではありません。大きな地震では断層の広い範囲がずれるため、実際には「どこまで震源域が広がったか」も重要です。
震源が浅い地震は強く揺れることがある
震源の深さも震度に関係します。
震源が浅いと、地震波が地表まで進む距離が短いため、震源付近で強い揺れになることがあります。特に内陸の浅い地震では、地震の規模が巨大でなくても近くの地域で非常に強い震度を観測することがあります。
一方、深い地震では地震波が地表へ届くまでの距離が長くなりますが、広い範囲で揺れを感じる場合があります。
したがって、「マグニチュードが同じなら震度も同じ」ということにはなりません。震源の深さや位置によって揺れ方が変わります。
地盤の違いで震度が変わる
同じ地震で、震源からほぼ同じ距離にある二つの場所でも、震度が違うことがあります。
その大きな理由の一つが地盤です。
防災科学技術研究所のJ-SHISでは、地震波が地下から地表へ伝わるとき、表層地盤の性質によって揺れが増幅されると説明しています。
一般に、硬い岩盤の上では揺れが比較的小さく、厚い軟弱な堆積物がある平野や盆地などでは揺れが増幅されることがあります。
このため、地図上では震源から同じ距離に見えても、片方の地域で震度5弱、もう一方で震度4になることがあります。
震度は加速度だけで決まるわけではない
地面の揺れの強さというと、「どれだけ大きな加速度が出たか」だけで決まるように思えますが、日本の震度は単純な最大加速度だけで決めているわけではありません。
気象庁の計測震度は、震度計が記録した三成分の加速度波形に、揺れの周期などを考慮する処理を行って算出します。
これは、人や建物への影響が、瞬間的な大きさだけでなく、どのくらいの周期の揺れがどれくらい続いたかにも関係するためです。
そのため、最大加速度が似ている二つの地点でも、揺れ方の違いによって計測震度が異なることがあります。
地震の規模が大きいほど広い範囲で強く揺れやすい
マグニチュードが大きい地震ほど、一般には放出するエネルギーも大きく、断層の破壊範囲も広くなります。
その結果、強い揺れを生じる範囲も広くなりやすく、遠い場所でもある程度大きな震度を観測することがあります。
ただし、震度は地震の規模だけでは決まりません。震源からの距離、深さ、断層の向き、地震波の伝わる経路、地盤などが組み合わさって決まります。
「大きい地震=どこでも大きい震度」ではない点が重要です。
最大震度とは何か
地震情報で「最大震度6弱」などと発表されることがあります。
最大震度とは、その地震で観測された震度のうち最も大きな値です。
一つの地震で全国すべてが震度6弱になるわけではありません。最大震度6弱を観測した地点があっても、別の地域では震度5弱、4、3など、さまざまな震度になります。
このため、地震情報を見るときは「最大震度」だけでなく、自分のいる地域で何震度が観測・予想されているかを見る必要があります。
震度が同じでも被害が同じとは限らない
震度は、その場所の揺れの強さを表す重要な指標ですが、被害の大きさそのものを直接表すものではありません。
同じ震度でも、建物の耐震性、家具の固定状況、地盤、斜面の状態、揺れの周期や継続時間などによって被害は変わります。
気象庁の震度階級関連解説表も、各震度で一般にどのような現象が起こり得るかを示すもので、必ず同じ被害が起こることを意味するものではありません。
したがって、震度は被害を考える重要な手がかりではありますが、「震度5強なら必ずこの被害」という固定的なものではありません。
日本の震度は現在、機械で観測されている
以前の日本では、人の体感や周囲の状況をもとに震度を決めていた時期がありました。
しかし気象庁によると、1996年4月以降は計測震度計によって自動的に観測し、速報する仕組みになっています。
これにより、各地点の揺れを統一した方法で迅速に数値化できるようになりました。
現在発表される震度は、気象庁、地方公共団体、防災科学技術研究所などが設置した震度観測点のデータをもとにしています。
地震と震度の関係を整理すると
- 地震:地下の断層が急にずれ、地震波が生じる現象
- 震度:その地震によって、ある場所がどれくらい強く揺れたかを示す値
- マグニチュード:地震そのものの規模を表す値
- 距離:震源断層から遠いほど一般に揺れは弱くなる
- 深さ:震源の深さによって地表での揺れ方が変わる
- 地盤:軟らかい地盤などでは揺れが増幅されることがある
まとめ
地震と震度が関係しているのは、地震によって発生した地震波が各地へ伝わり、その場所で生じた揺れの強さを震度として表しているからです。
一つの地震でも震度は場所ごとに違います。震源断層からの距離、震源の深さ、地震の規模、地盤の揺れやすさなどが異なるためです。
そのため、マグニチュードが同じ地震でも震度分布は同じとは限りません。また、最大震度はその地震で最も強く揺れた観測地点の値であり、すべての地域の揺れを表すものではありません。
地震は地下で起きる現象、震度はその結果として各地点に現れた揺れを表す指標です。この違いを理解すると、地震情報をより正しく読み取れるようになります。
参考資料
- 気象庁「震度について」
- 気象庁「震度・マグニチュード・地震情報について」
- 防災科学技術研究所 J-SHIS「表層地盤増幅率と揺れやすさの関係について」
- U.S. Geological Survey「What is the difference between earthquake magnitude and earthquake intensity?」

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