地震と余震が関係しているのは、大きな地震で断層が急にずれると、その周辺の岩盤にかかる力の状態が変わり、新しい状態へ調整する過程で周囲の断層が続けてずれることがあるからです。
このように、大きな地震の後に同じ地域やその周辺で続く地震を一般に余震と呼びます。余震は本震と無関係に偶然起きているのではなく、最初の大きな断層運動によって地下の応力状態が変化したことと深く関係しています。
余震とは何か
気象庁は、一連の地震活動で最も規模の大きな地震を本震、その後に続いて起こる地震を余震と説明しています。
ただし、この呼び方は後から決まることがあります。最初に大きな地震が起き、その後さらに大きな地震が発生した場合、後の地震が本震となり、先に起きた地震は前震と呼ばれることがあります。
そのため、大地震の直後には「これが必ず本震で、後は小さな余震だけ」と断定することはできません。
大きな地震の後に地下の力の状態が変わる
地震は、地下の断層にたまった力が限界に達し、岩盤が急にずれることで起こります。
しかし、大きな断層が一度動いたからといって、周辺の岩盤にかかる力がすべてなくなるわけではありません。むしろ断層がずれることで、周囲では力が増える場所と減る場所が生まれます。
米国地質調査所(USGS)は、本震による応力変化が周辺の断層を破壊しやすい状態にし、その結果として余震が起こると説明しています。
つまり余震は、地殻が大きな地震後の新しい力の状態へ調整していく過程の一部と考えられます。
余震は本震の断層付近で多く起こる
余震の多くは、本震でずれた断層やその周辺で発生します。
USGSによると、大部分の余震は本震の破壊域に近い場所に集中し、本震による応力変化が周囲の断層へ影響することで、近くの別の断層でも地震が誘発されることがあります。
大きな地震ほど断層の破壊範囲が広いため、余震が分布する範囲も広くなる傾向があります。
そのため、多数の余震の震源を地図にすると、本震で動いた断層や震源域のおおよその形が見えてくる場合があります。
余震は本震直後に多く、時間とともに減る
余震には、本震直後ほど多く、時間がたつほど発生頻度が下がるという特徴があります。
気象庁によると、一般的な本震-余震型の活動では、1日あたりの余震数はおおむね経過日数に反比例するように減少します。たとえば本震後1日目を基準にすると、2日目にはおよそ2分の1、10日目にはおよそ10分の1という形です。
ただし、これは統計的な傾向です。実際の余震は一定間隔で規則正しく起こるわけではなく、一時的に活動が活発になることもあります。
「数が減ってきたからもう起きない」とは言えない点が重要です。
なぜ時間とともに余震が減るのか
本震直後は、断層周辺に急激な応力変化が生じ、破壊寸前になった場所が多くあります。そのため多数の地震が続きやすくなります。
その後、周辺の不安定な部分が次々にずれたり、岩盤が時間をかけて変形したりすることで、活動は徐々に落ち着く方向へ向かいます。
ただし地下の状態は非常に複雑で、単純に「残った力が少しずつなくなる」とだけ説明できるものではありません。静的な応力変化だけでなく、地震波による一時的な力の変化や断層の摩擦特性なども、地震を誘発する仕組みに関係すると考えられています。
余震の規模は本震より小さいことが多い
本震-余震型と判断された地震活動では、余震は本震より小さい地震です。
一般に小さな余震は多く、大きな余震ほど数が少なくなります。気象庁は、余震活動でもマグニチュードが1大きくなると、その規模以上の地震の発生数がおよそ10分の1になるという統計的な性質があると説明しています。
しかし、余震だから安全なほど小さいとは限りません。大きな本震の後には、建物や斜面がすでに弱っていることがあり、その後の強い揺れによって被害が拡大することがあります。
最初の地震より大きな地震が後から起こることもある
大きな地震の後に起こる地震が、必ず最初の地震より小さいとは限りません。
USGSは、ある地震の後にそれより大きな地震が起きた場合、後の地震を本震、先の地震を前震として呼び直すと説明しています。
このため気象庁も、大地震直後には「余震」という言葉だけで安心感を与えないよう、「大地震後の地震活動」として注意を呼びかけています。
特に大地震の直後しばらくは、同程度またはより大きな地震が起こる可能性も考えて行動することが重要です。
余震はどのくらい続くのか
余震の多くは本震直後に集中しますが、完全に短期間で終わるとは限りません。
気象庁によると、時間とともに数は減っていくものの、大きな地震の後では余震活動が何年も続くことがあります。
本震が大きいほど、一般に余震の数が多く、活動する範囲が広く、長く続く傾向があります。
ただし「何日で終わる」と一律には決められません。地震の規模、断層の状態、周辺の地質などによって活動の続き方は異なります。
余震の発生時刻を正確には予測できない
余震活動には統計的な規則性があるため、一定期間にある規模以上の地震が発生する可能性を確率で評価することはできます。
しかし、「明日の午後3時にこの地点でM5の余震が起こる」といった形で、個々の余震の日時・場所・規模を正確に予測することはできません。
気象庁は、余震の発生頻度が時間とともに減る性質や、規模別の発生数の統計を利用して、地震活動の見通しを評価しています。
余震の情報は確率的な見通しとして理解することが大切です。
余震を調べると本震の断層が分かる
余震は防災上の注意対象であるだけでなく、地震研究でも重要な情報です。
余震の震源を立体的に並べると、本震後にどの範囲で岩盤が活発に動いているかが分かります。断層が地下でどの方向へ傾いているのか、どの範囲まで破壊が広がったのかを推定する手がかりにもなります。
また、余震が集中する場所と少ない場所を比較することで、本震によって周囲の応力がどのように変化したのかを調べる研究も行われています。
本震・前震・余震の関係を整理すると
- 本震:一連の地震活動の中で最も規模が大きい地震
- 前震:本震より前に起きた地震のうち、一連の活動に関係すると考えられるもの
- 余震:本震後に同じ地域や周辺で続く、本震より小さな地震
- 原因となる関係:本震による断層のずれが周辺の応力状態を変え、次の地震を起こしやすくする
- 時間変化:余震は本震直後に多く、一般に時間とともに減っていく
まとめ
地震と余震が関係しているのは、大きな地震で断層が動くと周辺の岩盤にかかる力が変化し、その新しい状態へ調整する過程で周囲の断層が次々にずれることがあるからです。
余震は本震の震源域やその周辺に多く、発生数は本震直後に多くて時間とともに減る傾向があります。しかし、大きな余震が後から起こることもあり、最初の地震を超える規模の地震が発生すれば、呼び方そのものが前震・本震へ変わることがあります。
つまり余震は、本震とは独立した別現象ではなく、大きな断層運動によって変化した地下の状態が続けて地震を起こす、一連の地震活動の一部なのです。
参考資料
- 気象庁「大地震後の地震活動(余震等)について」
- 気象庁「地震について」
- U.S. Geological Survey「Earthquake Sequence Product」
- U.S. Geological Survey「Some facts about aftershocks to large earthquakes in California」

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