地震と液状化が関係しているのは、強い揺れによって水を多く含む砂質地盤の中の水圧が高まり、砂粒どうしが支え合う力が弱くなるためです。その結果、それまで固体のように建物を支えていた地盤が、一時的に液体に近い状態になり、沈下や傾き、噴砂などが起こります。
ただし、地震が起きればどこでも液状化するわけではありません。液状化には、地盤の種類、地下水の状態、揺れの強さや長さなど、いくつかの条件が重なる必要があります。
地震の揺れが液状化を起こす理由
地面の中は、土や砂の粒だけでできているわけではありません。粒と粒のすき間には空気や水が入っています。とくに地下水位が高い場所では、砂のすき間が水で満たされた状態になっています。
通常、このような地盤では砂粒どうしが接触し、互いに力を伝えながら上からの重さを支えています。ところが地震で地盤が何度も揺さぶられると、砂粒の並び方が崩れ、粒どうしのすき間を小さくしようとする動きが起こります。
水で飽和した地盤では、すき間の水がすぐに外へ逃げられないことがあります。その状態で砂粒が詰まろうとすると、粒の間にある水の圧力、つまり間隙水圧が上昇します。すると、砂粒どうしが直接支え合う力が弱くなり、地盤全体の強度や支持力が大きく低下します。
USGS(米国地質調査所)も、飽和した粒状地盤に地震波が通ることで粒子構造が乱れ、荷重が粒子間の接触から間隙水へ移ることで水圧が上昇し、地盤が一時的に流体のように振る舞うと説明しています。
液状化が起こりやすい3つの条件
液状化は、地震だけで決まる現象ではありません。一般に、次のような条件が重なると起こりやすくなります。
- 緩く堆積した砂質の地盤であること
- 地下水位が高く、土のすき間が水で満たされていること
- 地震による強い揺れ、またはある程度長く続く揺れを受けること
国土交通省は、液状化を「地震の強い衝撃を受けることで、それまで互いに接して支え合っていた土の粒子がばらばらになり、地盤全体が液体のような状態になる現象」と説明しています。
そのため、同じ地震でも、場所によって液状化の起こりやすさは大きく異なります。震源から近いか遠いかだけでなく、地盤がどのような土でできているか、地下水がどの深さにあるか、揺れがどの程度続いたかといった条件が重要です。
なぜ砂地盤で起こりやすいのか
液状化は、とくに緩い砂やシルトを多く含む地盤で問題になります。砂粒の間には比較的大きなすき間があり、そのすき間が地下水で満たされていると、地震時に水圧が上がりやすくなるためです。
一方で、すべての砂地盤が同じように液状化するわけではありません。粒の大きさやそろい方、地盤の締まり具合、排水のしやすさなどによって抵抗力は変わります。学術研究でも、砂の粒度や排水条件が液状化強度に影響することが示されています。
よく「埋立地は液状化しやすい」と言われますが、埋立地という名前だけで決まるわけではありません。埋立材料や造成方法、地下水位、地盤改良の有無によって条件は異なります。重要なのは、その場所の地盤が緩い粒状土で、水を多く含み、地震の揺れを受ける状態かどうかです。
液状化すると地面では何が起こるのか
地盤が液状化すると、建物を支えていた力が弱くなるため、さまざまな変形や被害が起こります。
- 住宅や建物が沈下したり傾いたりする
- 道路や地面が沈下・変形する
- 地下のマンホールや埋設管が浮き上がる
- 水や砂が地表へ噴き出す「噴砂」が起こる
- 地盤が低い方向へ横に移動する「側方流動」が起こる
国土交通省は、液状化によって住宅の沈下・傾斜、道路面の変形、ライフライン施設の被害などが起こり、地震後の生活に長く影響する場合があるとしています。
液状化そのものは地面が完全な液体に変わるという意味ではありません。地震によって一時的に地盤の強度が大きく低下し、変形しやすい状態になる現象です。揺れが収まり、過剰な水圧が抜けていけば、地盤は再び粒子どうしが支え合う状態に戻っていきます。ただし、その過程で沈下や傾斜などの変形が残ることがあります。
地震が大きいほど必ず液状化するのか
地震の規模が大きければ液状化の可能性が高まる場面はありますが、マグニチュードだけで液状化の有無を判断することはできません。
液状化に直接関係するのは、その場所の地盤が実際にどのような揺れを受けたかです。揺れの強さに加えて、継続時間や繰り返し回数、地盤の性質なども影響します。USGSは、地震動の影響を考える際に、振幅、周波数成分、継続時間、地盤や岩盤の物性が重要だとしています。
また、長く続く地震動や、その後の地震動が液状化の進行に関係することもあります。日本の地震工学分野の研究では、東日本大震災において本震の長い継続時間や余震の連続が液状化被害の拡大に関係したことが報告され、過剰間隙水圧の蓄積や消散を考慮した検討が行われています。
地震と液状化の関係を簡単にたとえると
水を含んだ砂浜を想像すると、感覚的に理解しやすくなります。締まった砂は体重を支えますが、水を多く含んだ緩い砂を繰り返し揺らすと、粒どうしの支えが弱くなり、足元が急にやわらかく感じられることがあります。
実際の地盤では、これよりはるかに複雑ですが、液状化の基本は「砂粒が支えていた力が、地震による水圧上昇で弱くなる」という点にあります。
液状化の危険性はどう確認するのか
自宅や土地の液状化リスクを知りたい場合は、自治体が公表している液状化ハザードマップや地形・地盤情報が参考になります。ただし、ハザードマップは地域全体の傾向を示すもので、個々の敷地の安全性を保証するものではありません。
建築や土地利用で詳しく確認する必要がある場合は、地盤調査によって土質、地下水位、地盤の締まり具合などを調べます。必要に応じて、地盤を締め固める、排水しやすくする、構造物の基礎を強化するなどの対策が検討されます。
まとめ
地震と液状化が関係しているのは、地震の揺れによって水を多く含む砂質地盤の間隙水圧が上昇し、砂粒どうしが支え合う力が弱まるためです。
ただし、液状化は地震が起きれば必ず発生するものではありません。緩い砂質地盤、浅い地下水、強い・長い揺れなどの条件が重なったときに起こりやすくなります。つまり、地震は液状化を引き起こすきっかけですが、実際に発生するかどうかは、その場所の地盤と地下水の条件に大きく左右されます。
参考資料
- 国土交通省「液状化現象について」
- U.S. Geological Survey「What is liquefaction?」
- U.S. Geological Survey「What are the Effects of Earthquakes?」
- 佐々真志ほか「地震動の連成による砂質地盤の液状化機構と予測・対策の安定性」

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