なぜ雪は氷の結晶が成長してできるのか?

雪は、空から突然できあがった白い粒が落ちてくる現象ではありません。雲の中で生まれた小さな氷の結晶が、水蒸気を取り込みながら成長し、それが地上まで融けずに落ちてきたものです。

結論からいうと、雪は大気中の水蒸気がちりやほこりなどをきっかけに氷の結晶となり、その結晶がさらに水蒸気を取り込んで大きく成長することでできます。成長した結晶が落下し、途中で融けずに地上まで届けば雪になります。

目次

雪の正体は「氷の結晶」

気象庁は、雪を空気中の水蒸気が凍ってできた氷の結晶が降る現象として説明しています。つまり、雪と雪の結晶は別々のものではなく、雪をつくっている基本単位が雪の結晶です。

雲の中では、最初から大きな雪の結晶ができるわけではありません。ごく小さな氷晶が生まれ、それが周囲の水蒸気を取り込んで少しずつ大きくなります。

最初の氷の結晶はどうやってできるのか

雲の中には水蒸気のほか、非常に小さな水滴やちり、ほこりなどの微粒子があります。気温が低い雲の中では、こうした微粒子などをきっかけに氷の結晶が生まれます。

気象庁の解説では、ちりやほこりなどを核として大気中の水蒸気が凍り、氷の結晶になるとされています。この最初の小さな氷晶が、雪の成長の出発点です。

水蒸気が結晶に付着して雪の結晶が育つ

小さな氷晶ができると、その表面に周囲の水蒸気が直接付着して氷になります。これを繰り返すことで、結晶は大きくなっていきます。

雲の中には、氷点下でも凍らずに存在する「過冷却水滴」が含まれることがあります。水蒸気はこうした水滴と氷晶が共存する環境の中で氷晶側へ移り、結晶の成長を助けます。

NOAAも、雪の結晶は水蒸気が小さな氷の結晶に付着し続けることで成長すると説明しています。

なぜ雪の結晶には六角形が多いのか

雪の結晶には、六角形を基本とした形が多く見られます。これは水分子が氷になるときの結晶構造が六角形を基本としているためです。

そのため、板状や星状、樹枝状など見た目が違っていても、基本的な六方向の対称性が現れます。ただし、すべての雪がきれいな六角形に見えるわけではありません。

成長中の温度や湿度が変わると、板のように広がったり、細い針のようになったり、枝分かれしたりします。結晶が通過した雲の環境によって形は大きく変わります。

雪の結晶と「雪片」は同じではない

空から降ってくる大きな雪をよく見ると、一つの大きな結晶ではなく、複数の雪の結晶がくっついていることがあります。このまとまりを雪片と呼びます。

気温が0℃に近い比較的湿った空気では、雪の結晶同士がくっつきやすく、大きな雪片になることがあります。一方、寒く乾いた条件では、一つ一つの結晶が比較的ばらばらのまま降ることもあります。

結晶ができても必ず雪として地上に届くとは限らない

雲の中で雪の結晶ができても、地上までの空気が暖かければ、落下中に融けます。完全に融ければ雨になり、一部だけ融けた状態ではみぞれになることがあります。

つまり、「雲の中で雪の結晶ができること」と「地上で雪が降ること」は同じではありません。地上まで届くまでの気温の分布も重要です。

雪と気温の関係については、なぜ雪と気温は関係しているのか?で詳しく扱います。

雪の結晶の形が一つ一つ違うのはなぜか

雪の結晶は、成長中に通過した雲の温度や水蒸気量の違いによって形が変わります。雪の結晶は雲の中を落ちながら移動するため、途中で何度も異なる環境を経験します。

その結果、同じ六角形を基本としていても、枝の伸び方や太さ、板の広がり方などに違いが生まれます。NOAAは、わずかな温度や湿度の変化でも結晶の成長の仕方が変わると説明しています。

雪と霜はどちらも氷の結晶だが、できる場所が違う

雪と霜はどちらも氷の結晶ですが、できる場所が違います。雪は雲の中で成長した氷の結晶が降ってくるものです。一方、霜は地面や物体の表面付近で水蒸気が直接氷になることでできます。

この違いについては、なぜ雪と霜は関係しているのか?で詳しく解説します。

雪の結晶が積もると雪崩など別の現象にもつながる

地上に積もった雪は、結晶の形や密度、積もり方、時間の経過による変化などによって性質が変わります。層ごとに性質が違うと、斜面では雪崩の起こりやすさにも関係します。

雪と雪崩の関係については、なぜ雪と雪崩は関係しているのか?で扱います。

まとめ

雪は、雲の中で生まれた小さな氷の結晶が水蒸気を取り込みながら成長し、地上まで融けずに落ちてきたものです。

雪の結晶は水分子の並び方によって六角形を基本としますが、温度や湿度の違いによって板状、柱状、樹枝状などさまざまな形になります。また、複数の結晶がくっつけば大きな雪片になります。

つまり、雪と雪の結晶の関係は、「雪の中に結晶が含まれている」というより、雪そのものが氷の結晶、またはそれらが集まったものと考えると理解しやすいでしょう。

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参考資料

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